「CBDオイルって最近よく聞くけど、市場ってどのくらいの規模なの?」
「健康食品業界でCBDオイルがこんなに注目されている理由は何?」
「投資や事業参入を検討する上で、CBDオイル市場の将来性はどうなの?」
このような疑問を持つ方は多いのではないでしょうか?
CBDオイルとは、大麻草から抽出される非精神活性成分カンナビジオールを主成分とした健康製品です。
本記事では、急成長を続けるCBDオイル市場の規模や成長要因、将来予測について分かりやすく解説します。
理解することで、CBDオイル市場の投資機会や事業展開の可能性を把握でき、今後のビジネスチャンスも見えてくるでしょう。
この記事で分かること
・CBDオイル市場の現在規模と2025年予測
・従来の健康食品市場との違いと成長要因
・CBDオイル市場を牽引する主要企業と成功事例
分かりやすく解説しているので、ぜひお読みください。
目次
CBDオイル市場を徹底解説!急成長する健康産業の注目分野
CBDオイル市場は、健康・美容分野で急速な成長を遂げている新興市場です。
実は、この市場は2019年頃から本格的に日本で拡大し始めた比較的新しい分野ですが、既に巨大な経済効果を生み出しています。
CBDオイル市場の成長速度は従来の健康食品市場を大きく上回っており、投資家や企業からの注目度も非常に高くなっています。詳しい市場概要について見ていきましょう。
CBDオイル市場の基本概要と特徴
CBDオイル市場は、カンナビジオール(CBD)を主成分とする製品群で構成される市場です。
CBDは大麻草の茎や種子から抽出される非精神活性成分で、リラックス効果や睡眠の質向上などの健康効果が期待されています。
CBDオイル市場の特徴として、医薬品、化粧品、食品・飲料、サプリメントなど幅広い分野での応用が可能な点が挙げられます。
例えば、不安やストレス緩和を目的とした健康食品から、抗炎症作用を活用したスキンケア製品まで多様な製品が開発されています。
世界市場と日本市場の現在規模
世界のCBDオイル市場規模は2024年現在、約1兆6,180億円に達しています。
Fortune Business Insightsの調査によると、世界市場は2032年までに約2兆9,360億円規模まで拡大すると予測されており、年平均成長率は43.66%という驚異的な数値を記録しています。
一方、日本のCBDオイル市場は2024年に約244億円に達し、矢野経済研究所の予測では2025年に829億7,900万円まで成長する見込みです。
引用元:矢野経済研究所
市場拡大を支える主要因子
CBDオイル市場拡大の主要因子として、健康志向の高まりとストレス社会への対応ニーズが挙げられます。
特に、現代社会では睡眠障害や慢性的なストレスを抱える人々が増加しており、CBDオイルの自然由来成分によるリラックス効果に注目が集まっています。
また、政府による規制緩和も市場拡大の重要な要因です。
日本では2024年12月に大麻取締法の改正が施行され、CBDオイル製品の品質基準や販売ガイドラインが明確化されました。
これにより大手企業の参入障壁が下がり、コンビニエンスストアやドラッグストアでの販売拡大が期待されています。
これまでの健康食品市場との違い
CBDオイル市場は従来の健康食品市場と比較して、成長スピードと市場特性の両面で大きな違いを示しています。
一般的な健康食品市場の年平均成長率が5-10%程度であるのに対し、CBDオイル市場は20%を超える成長率を維持しています。
この差は、CBDオイル特有の多機能性と規制環境の変化によるものです。従来の健康食品市場との具体的な違いを詳しく解説していきます。
従来のサプリメント市場との成長速度比較
従来のサプリメント市場と比較すると、CBDオイル市場の成長速度は圧倒的に速いことが分かります。
一般的なビタミン・ミネラル系サプリメント市場の年平均成長率は約5-8%程度ですが、CBDオイル市場は年平均20%以上の成長を続けています。
例えば、日本の機能性表示食品市場全体が年間約4,000億円規模で推移している中、CBDオイル市場はわずか数年で800億円規模に達する予測が立てられています。
この背景には、CBDオイルが単一の効果に特化した従来のサプリメントとは異なり、ストレス緩和、睡眠改善、抗炎症作用など複数の健康効果を同時に期待できる点があります。
CBDオイル特有の多用途性と幅広い応用範囲
CBDオイルの最大の特徴は、その多用途性にあります。
従来の健康食品が特定の栄養素補給や限定的な健康効果を目的としていたのに対し、CBDオイルは医薬品、化粧品、食品・飲料、ペット用品まで幅広い分野で活用されています。
具体的には、医療分野ではてんかん治療薬「エピディオレックス」として承認され、美容分野では抗炎症作用を活用したスキンケア製品が人気を集めています。
さらに、食品・飲料分野でもCBDオイル入りチョコレートやコーヒーなどの新商品が続々と登場しており、市場の多様化が急速に進んでいます。
規制緩和によるCBDオイル市場環境の変化
CBDオイル市場の成長を加速させている重要な要因の一つが、世界的な規制緩和の流れです。
アメリカでは2018年農業改善法により産業用ヘンプが合法化され、CBDオイル市場の本格的な成長が始まりました。
日本においても、2024年12月の大麻取締法改正により、THC残留基準の明確化や医療用大麻の部分的解禁が実現しました。
厚生労働省の発表によると、CBD製品におけるTHC残留限度値が0.3%から0.2%に引き下げられ、より厳格な品質管理基準が設定されています。
引用元:厚生労働省
この規制整備により、消費者の安心感が向上し、大手企業の市場参入も活発化しています。
CBDオイル市場が注目される理由
CBDオイル市場への注目が集まる理由は、その驚異的な成長率と社会的ニーズの高まりにあります。
現在、世界のCBDオイル市場は年率20%以上という異例の成長を続けており、2025年には約7兆2,500億円規模に達すると予測されています。
この成長の背景には、現代社会特有の健康課題とCBDオイルの特性が合致していることがあります。具体的な注目理由について詳しく解説していきます。
年平均成長率20%超えの驚異的な拡大ペース
CBDオイル市場の年平均成長率20%超えという数値は、健康食品業界では極めて異例です。
TechNavioの市場調査によると、CBDオイル市場は2023-2028年で約1兆210億円の増加が見込まれ、予測期間中のCAGRは28.26%に達します。
引用元:TechNavio調査レポート
この成長ペースを具体的に比較すると、一般的な健康食品市場の4-6倍の速度で拡大していることになります。
特に注目すべきは、この成長が一時的なブームではなく、科学的研究の進展と規制環境の整備に支えられた持続的な成長である点です。
健康志向とストレス社会へのCBDオイル対応ニーズ
現代社会における健康志向の高まりとストレス増加が、CBDオイル市場拡大の重要な推進力となっています。
世界保健機関(WHO)の調査によると、全世界で約2億6,400万人が不安障害に苦しんでおり、特に先進国でのストレス関連疾患が急増しています。
CBDオイルは、このような現代社会の健康課題に対する自然由来のソリューションとして位置づけられています。
例えば、アメリカの消費者調査では、CBDオイル使用者の約40-60%が不安やストレス緩和を目的としており、従来の医薬品に代わる選択肢として注目されています。
また、睡眠の質向上を目的とした利用も増加しており、不眠症に悩む現代人のニーズに応えています。
法規制整備によるCBDオイル市場の信頼性向上
CBDオイル市場の信頼性向上は、適切な法規制整備によって実現されています。
2024年に実施された日本の大麻取締法改正では、CBDオイル製品の品質基準や表示義務が明確化され、消費者保護が強化されました。
具体的には、THC含有量の検査義務化、原料の産地表示、製造工程の透明化などが法的に規定されています。
この規制整備により、これまで参入をためらっていた大手食品・化粧品メーカーの市場参入が活発化しています。
また、国際的な基準調和も進んでおり、欧州食品安全機関(EFSA)による「新規食品(Novel Food)」としての地位確立により、CBDオイル市場の国際展開が容易になっています。
CBDオイル市場を牽引している主要企業
CBDオイル市場の急成長を支えているのは、革新的な製品開発と積極的な市場開拓を行う主要企業群です。
世界市場では北米企業が先行していますが、日本市場では国内企業も独自の強みを活かして急速に成長しています。
CBDオイル業界では、技術革新、品質管理、販路開拓の3つの要素が競争優位性を決定しており、これらの分野で優れた企業が市場を牽引しています。主要企業の動向について詳しく解説していきます。
世界CBDオイル市場のリーディングカンパニー
世界のCBDオイル市場では、Aurora Cannabis、Canopy Growth Corporation、Charlotte’s Webなどの企業がリーディングポジションを占めています。
Aurora Cannabisは、2024年1月にVacayブランドから大麻注入製品を発売し、ネオンラッシュ、ストロベリーパイナップル、パイナップルココナッツの3つのフルーツフレーバーを展開しています。
引用元:Fortune Business Insights企業動向
Canopy Growth Corporationは、カナダを拠点とする世界最大級の大麻企業で、CBDオイル製品の研究開発と国際展開に積極的に取り組んでいます。
これらの企業は、垂直統合型のビジネスモデルを採用し、原料栽培から製品販売まで一貫して管理することで品質と収益性を確保しています。
日本CBDオイル市場の主要プレイヤー
日本のCBDオイル市場では、Endoca Japan、Healthy TOKYO、PharmahempJapan、CANNABEES、GREEN ZONE JAPANが主要プレイヤーとして位置づけられています。
Endoca Japanは、デンマーク本社の日本法人として高品質な有機CBDオイル製品を展開し、厳格な品質管理体制で消費者からの信頼を獲得しています。
Healthy TOKYOは、日本初のCBD専門店として2019年に東京・原宿にオープンし、国内のCBDオイル市場拡大の先駆的役割を果たしています。
2024年2月には、Bioeye Co., Ltd.とMIGOTO CBDが世界初の特許取得済みオーガニックJAS認証CBDアイソレートの販売を開始し、業界で大きな注目を集めました。
CBDオイル業界への新規参入企業動向
CBDオイル業界への新規参入は、規制緩和と市場成長を背景に活発化しています。
2024年4月には、Rodedawgが栄養CBD製品ラインの発売を発表し、新製品投入への取り組みを強調しました。
また、大手化学企業のBASF SEは2022年8月にカンナビジオール注入スキンケア製品「ComfortBD」を導入し、認定オーガニック産業用ヘンプを原料として使用しています。
日本国内では、食品・飲料大手、化粧品メーカー、製薬企業などがCBDオイル市場への参入を検討しており、2025年以降さらなる競争激化が予想されます。
特に、コンビニエンスストアやドラッグストアでの販売拡大を見据えた大手流通業者の動向も注目されています。
CBDオイル市場の具体的成長事例
CBDオイル市場の成長は、世界各地域で異なる特徴を示しながらも、共通して急速な拡大を続けています。
北米では成熟した市場として安定成長を維持し、欧州では規制緩和による新たな成長機会が生まれています。
アジア太平洋地域では新興市場として爆発的な成長を見せており、それぞれの地域で独自の成功モデルが確立されています。具体的な成長事例を通じて、CBDオイル市場の可能性を探っていきます。
北米CBDオイル市場での成功モデル
北米のCBDオイル市場は、世界最大の規模を誇り、2023年に全世界市場シェアの47.04%を占めています。
アメリカ市場では、2018年農業改善法による産業用ヘンプ合法化を契機に、CBDオイル市場が急速に拡大しました。
New Frontier Dataの調査によると、2020年のアメリカにおけるCBD製品消費総額は約2兆1,750億円に達し、消費者一人当たりの平均年間消費額は約4万6,400円でした。
引用元:THE CBD株式会社麻田製薬
特に注目すべきは、CBDオイル使用者の約3割が月7,250円以上を購入に費やしており、高い消費者ロイヤルティを示していることです。
また、現在から2025年までの累計消費総額は約17兆5,450億円に達する見込みです。
欧州CBDオイル市場での規制緩和効果
欧州のCBDオイル市場では、2024年の規制緩和により大きな成長機会が生まれています。
欧州食品安全機関(EFSA)による科学的評価を受けて、CBDが「新規食品(Novel Food)」として正式に認可され、認可プロセスが明確化されました。
また、欧州医薬品庁(EMA)は特定疾患に対するCBDオイル医薬品の臨床研究支援プログラムを開始しており、医療分野での応用拡大が期待されています。
ドイツやフランスなどの主要国では、CBDオイル製品の薬局販売が拡大し、消費者アクセスが大幅に改善されています。
この規制緩和により、欧州のCBDオイル市場は2024年から2030年にかけて年率15%以上の成長が予測されています。
アジア太平洋地域でのCBDオイル新興市場拡大
アジア太平洋地域のCBDオイル市場は、新興市場として最も高い成長率を記録しています。
日本では、ユーロモニターの調査によると2024年のCBD市場が前年比16.2%増の244億円に達し、約53万人の利用者がいると推定されています。
引用元:ユーロモニターインターナショナル
韓国やタイでも規制緩和の動きが見られ、CBDオイル市場の拡大が始まっています。
特に、日本の可処分所得増加(平均約46万4,000円)により、CBDオイルを含むボディケア・ヘルスケア製品の購買力向上が市場拡大を後押ししています。
オーストラリアでは医療用CBDオイルの処方薬承認が進み、アジア太平洋地域全体での市場成長が加速しています。
まとめ【CBDオイル市場規模の将来展望】
CBDオイル市場は、2025年に日本国内で829億円規模、世界全体で約7兆2,500億円規模に達すると予測される急成長市場です。
年平均成長率20%超えという驚異的な拡大ペースは、健康志向の高まりとストレス社会への対応ニーズ、そして法規制整備による信頼性向上に支えられています。
従来の健康食品市場との違いは、CBDオイルの多用途性と幅広い応用範囲にあり、医薬品から化粧品、食品・飲料まで多様な分野での展開が可能です。
世界市場では北米企業がリードし、日本市場では国内企業が独自の強みを活かして成長しており、今後も新規参入企業の増加が予想されます。
参考URL:
- https://www.fortunebusinessinsights.com/jp/カンナビジオール-(cbd)-市場-103215
- https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3013
- https://www.gii.co.jp/report/infi1456763-global-cbd-oil-market.html
- https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_43079.html
- https://www.euromonitor.com/article/cannabis_market_trend_in_japan_2024
- https://cbd.co.jp/column/cbd-worldcbdindustry-now-future-growthindustry-in-japan/
- https://www.sdki.jp/reports/cbd-hemp-oil-market/104240